2021年3月11~13日に行われたジャパンゴルフフェアで、北海道ゴルフ連盟と北海道観光振興機構が共同で北海道への観光とゴルフツアーをPRするブースを出展しておりました。
私も札幌に3年間単身赴任していた時はゴルフ三昧で、50コース以上でのラウンド経験がありますが、とにかく気持ちいい、広い、芝がキレイ。
しかし距離がありラフが難しいのが北海道のコースの特長かと思います。
今日は観光の話ではなく、ゴルフの普及と発展を目的とする北海道ゴルフ連盟にお話しを伺いました。
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101もの倶楽部が加盟する北海道ゴルフ連盟
Q:北海道ゴルフ連盟とはどういう団体なんですか?
A:北海道でのゴルフの普及とアマチュア、プロの競技会を主催する団体ですが、その前に日本ゴルフ協会の話からしましょう。
日本ゴルフ協会(JGA)はゴルフの数ある団体の中で最初に(大正13年)誕生した団体です。
そのJGAの加盟団体として全国8つのブロックでゴルフ連盟があります。
その各ブロックの下には各県のゴルフ連盟があり、全国組織になっています。
北海道ゴルフ連盟は道内6つの倶楽部(銭函、函館、室蘭、旭川、洞爺湖、札幌)によって昭和9年に設立され、現在は101倶楽部が加盟しています。
しっかりとした取り決めでハンディキャップの算出
Q:やはり連盟と名のつくところは歴史があり、重い責務がありそうですが、主にどのような活動をされていますか?
A:競技を中心とした活動が主なので、一般のゴルファーには馴染みが無いかも知れません。
主に以下のような内容になります。
- 競技に関する事項
- ゴルフ規則に関する事項
- ハンディキャップ及びコースレートに関する事項
- ジュニア育成強化に関する事項
- ゴルフ活性化に関する事項
- 会員に関する事項(加盟審査、HGA個人会員募集)
- 広報及び出版に関する事項
Q:ハンディキャップを算出するのも連盟なんですね。よくJGA公認ハンディキャップと言いますけど。
A:はい、ハンディキャップは連盟に加盟しているコースでプレーした5枚以上のスコアカードとそのコースの難易度を掛け合わせた計算式により算出されます。
北海道ゴルフ連盟にはハンディキャップ及びコースレートに関する事項として以下の取り決めがあります。
- JGAハンディキャップ規定を普及し、質疑に関しては日本ゴルフ協会と協議し回答する。
- JGAの委託を受けて、全道のコースの要望によりJGA/USGAコースレートを査定し決定する。
- コースレート査定委員の技能研修を行う。
- 個人会員のJGA/USGAハンディキャップインデックスを査定する。
- JGA/USGAハンディキャップ普及のため、必要に応じ、説明会を行う。
次世代のゴルファーを育てる活動に力をいれている
Q:ゴルフの普及ということですけど、どのくらいの年齢から育成をされているんですか?また、どんな支援をしてますか?
A:ジュニアについては小学生から高校生を対象にゴルフを普及させるための活動をしているんです。
(公財)日本ゴルフ協会、(公財)北海道スポーツ協会、北海道高等学校ゴルフ連盟、加盟倶楽部をはじめとする関係団体と協力し、ジュニアにスポーツとしてのゴルフの普及、育成、技術向上をはかることを行っています。
(1)ジュニア育成・ゴルファー底辺拡大のため、加盟倶楽部及び北海道プロゴルフ会の協力を得て、ジュニアスクール・ジュニアチャレンジゴルフを開催しています。
(2)(公財)北海道スポーツ協会と共催で、国民体育大会への選手を選考し派遣をしています。
(3)(公財)日本ゴルフ協会と共催で、ナショナルチーム入り選手増加を目指し、強化育成事業を行っています。
(4)スポーツカルチャー事業でスナッグゴルフの普及をはかっています。
Q:ゴルフ業界にフォローの風が吹いています。関東では週末のコースの予約が取れないほどですし、練習場も満員です。北海道でも練習場は調子いいと思いますし、コースが開場する4月には満員が予想されます。この状況を連盟ではどう見ていますか?
A:4月12日現在、週末は天候も良く、オープンしているゴルフ場は予約が取れないくらい混んでいるとは聞いております。
ただ、道内はまだオープンしていないゴルフ場もあり、全てのゴルフ場がオープンしてからも続けばよいと思っております。
ゴルフ人口を減らさない・増やす取り組みに奔走
Q:ゴルフラボではゴルフ人口の減少を危惧しています。この15年で半分に減ったゴルフ人口。この25年で700ヶ所以上が倒産したゴルフ場。特に「2025年問題」は深刻で団塊の世代が後期高齢者となるため、一気にゴルファーが減り、2,200ヶ所以上あるゴルフ場はどのくらいが経営難になるかわかりません。特に東京は車を持たない若者が多いので、コースはおろか、練習場にも行きづらい環境です。北海道は車は必須なので、それはないでしょうけれど、ゴルフ人口の減少は全国的な課題です。全国8ブロックの連盟や、JGAはどう考えているのでしょう?
A: はい、ゴルフ人口の減少と対策はJGA並びに各地区連盟においても大きな課題です。
既にJGAではゴルフの普及と振興をテーマに定款変更を行っており、各地区連盟も準じて変更していく予定です。
これにより新規ゴルファーの創出、既存ゴルファーの活性化、ゴルフを取り巻く環境の改善を願っております。
若い社会人がゴルフができる環境つくりをフォロー
Q:ゴルフ人口を増やすために実施している方策はなんでしょう?または、これからやろうとしていることでも結構です。
A:例えば、関西ゴルフ連盟では無料でゴルフレッスンを行っています。また、ゴルフデビューするためのマニュアル本を作成し配布しています。
各連盟で予算規模が違うので一概には言えませんが、8地区の連盟とは情報交換していますし、若い社会人がコースデビューをしてゴルフの楽しさを知ってもらえるよう、対応していこうと考えております。
A:松山英樹プロのマスターズ優勝もゴルフブームの後押しになってくれると期待したいですね。
すべてはゴルフの繁栄のために
Q:私がゴルフを始めた30年前と比較して、ゴルフクラブは中古なら1/5程度。プレーフィーは半額以下となり、むしろお金の無い若者には始めやすい環境だと感じます。最近は女子プロゴルフの人気もあってか、ファッション的な目的なのか、女性のゴルフデビューが増えていて、喜ばしいですが、北海道での女性ゴルフ人気はいかがですか?
A:女子アマチュア選手権の参加者はほぼ、小学生、中学生、高校生のジュニアゴルファーが中心となっており、社会人の参加者は少数ですが、彼女らはプロを目指していますので、一般のゴルフとは別ですが大変盛んです。
北海道には低料金のゴルフ場も多くあります。そうしたコースを中心に最近は若い女性ゴルファーは少し増えているように見受けられるますね。
Q:今後の北海道ゴルフ連盟の課題はなんですか?
A:既存のゴルファーを減らさず、新規のゴルファーを増員し、ゴルフを廃れさせていかない事が一番の課題だと考えております。
Q:ありがとうございました。北海道はゴルフ場数が全国No.1のゴルフ天国です。優れたゴルファーがこれからも北海道から続々と誕生するでしょう。
[インタビュー ゴルフラボ 影山 篤]