甲州市は2005年(平成17年)に東山梨郡勝沼町、大和村、塩山市が合併してできた市です。
ブドウや桃の産地と言えば、関東の人にとってはやはり山梨産ですよね。
私の母の実家が隣の笛吹市でブドウと桃の農家でしたから当時、勝沼のぶどうはかなり意識してました(笑)
いまや甲州市は国産ワインの生産日本一。
そして戦国時代マニアは武田信玄にゆかりがあることで良く知られていると思います。
お話しをお伺いするのは、甲州市観光協会 事務局の手塚翔太さん。
塩山カントリー倶楽部は高石支配人と小金沢尚さんです。
Contents
甲州市へのアクセス方法
いまさら説明するまでもありませんが、東京に住む人には山梨県は隣県。
日帰りで旅行できるため甲州市や周辺にブドウ狩りに訪れたことのある方も多いでしょう。
<東京、名古屋からの乗り物別所要時間>
手塚さん:甲州市は甲府の手前、大月のひとつ先。長い笹子トンネルを抜けたところが甲州市です。
塩山カントリー倶楽部は首都圏から近い豪華クラブハウスの人気コース
最初はゴルフ場の紹介からいきましょう。
都内から1時間強という近さもあり、土日は予約が取りずらい人気コースの塩山CCです。
今日は高石信也支配人と営業主任の小金沢尚さんにお話しを伺います。
コースへのアクセス
中央道・勝沼ICより11km。およそ10分。また、JR塩山駅からタクシーで10分の距離です。
豪華なクラブハウス
Q:塩山CCの開場は1992年です。バブル期に造成しただけあってクラブハウスが豪華で驚きました。
高石支配人:そうですね。クラブハウスのフロントやレストランの壁は大理石ですし、ロッカーの扉は黒檀です。
Q:黒檀といえば超高級木材じゃないですか。それに写真を見ると、ロッカー前のスペースも広々としているし、置いてある椅子も高級家具です。
Q:先に施設のことを聞いてしまいますが、お風呂も豪華ですよね。
高石支配人:はい、女性浴室にはパウダールームを備えており、好評です。
広く、速いグリーンの攻略がカギとなるコース
Q:それでは、コースをご案内していただけますか。コースの攻略法と名物ホールを教えて
ください。
高石支配人:コースは丘陵のため、変化に富んだフェアウェイですから中上級者向きと言えるかもしれません。
また、グリーンが大変広くスティンプメーターも10ftと速い設定ですのでピンから遠くに乗せると3パットもありえます。
その代わり、バンカーは少ないので(31個)バンカーを苦手としている方には嬉しいコースでしょう。
まず、スタートホールの1番。塩山CC最長のロングホールです。
打ち下ろしで雄大な山並みへ向かっての豪快なティーショットが味わえます。
高石支配人:次は9番のショートホール。グリーン手前の縦長の大きなウォーターハザードがプレッシャーを与えるPar3です。
グリーンは池に向かって速いので、奥からのバンカーショットは注意が必要です。
高石支配人:次は11番と12番ホールです。
11番は左ドッグレッグのロングホール。
フェアウェイを横切るクリークを越えるには170ydでOK。
距離は短いのですが、セカンド地点からグリーンが見えづらいので2オンが難しい設定になってます。
12番はティーグランドがフェアウェイに正対していないので、ティーショットをどこに打てばいいか迷うホールです。
ドライバーの方向性に難があれば1打目をアイアンでレイアップしてもいいでしょう。170yd打てばフェアウェイをキープできます。
Q:どのホールも表情豊かで、気が抜けるホールが無いといった印象です。コース管理で気を付けていることはありますか?
高石支配人:コースをキレイに保つことを心がけています。秋の落ち葉舞うシーズンでもコース内にできるだけ枯れ葉が溜まらないよう、常にブロアーをかけていますし、夏場はラフを短く刈りこんでいます。
年間を通じてベストコンディションを目指しています。
Q:いずれもロストボールを減らし、プレーを円滑にするためのホスピタリティですね。
ところで、お客様の年齢層や男女比はどうなっていますか?
小金沢さん:最近は若いゴルファーが増えてきました。県内:県外=50:50ですね。
また、女性比率も15%前後と多いですよ。
女性に優しいコースにするために、レディースティーをもっと前に移動しようかという話もあるくらいです。
ランチが美味しいと評判のレストラン
Q:シャンデリアに照らされたレストラン。家具はイタリアから輸入されたそうですね。
オススメのメニューを教えてください。
高石支配人:甲州市はワイン日本一ですので、白ワインを飲ませて育てたワイン豚(ワイントン)を是非、お召し上がりください。
近所にある晦日ファームで育てており甲州市のブランド豚です。ワイン豚のトンカツ膳は土日のみのご提供です。
オリジナル企画のオープンコンペが大好評
Q:塩山CCさんのビジョンや競合コースとの差別化の取り組みはありますか?
高石支配人:ビジターを集めるためにネット予約の強化をしていくことだと思います。
公式HPからだとQRコードで友だち登録をするだけでLINEからネット予約できます。
また、塩山CC独自でオープンコンペを開催しています。
賞品もオリジナルで和牛や果物、旅行券など毎月2回企画しています。
参加費を考えると大変お得なため人気があり、参加申込は相当早くないと予約できないくらいです。
Q:それはぜひ参加してみたいですね。距離は短いが良いスコアが出ないという塩山CCを攻略したくなりました。本日はありがとうございました。
■塩山カントリー倶楽部
https://enzan-cc.co.jp/
甲州ワインを堪能する旅(カップル編)
では、ここから観光コーナーです。甲州市観光協会の手塚さんにモデルコースを作っていた
だきました。
手塚さん:はい、カップル向けには甲州ワイン巡りをしましょう。
甲州市にはワイナリーが40軒以上(山梨県ワイン酒造組合に所属のワイナリーは39軒)あり、山梨県の中でダントツトップの数です。
Day1
手塚さん:カップルは1泊2日、電車でお越しいただく旅です。
塩山駅から塩山CCまではタクシーで10分と近いので、車を持っていなくてもプレーを楽しめるコースです。
大善寺
TVドラマ「逃げ恥」で話題となった通称「ぶどう寺」。
縁結びスポットとして若者が訪れています。また薬師堂厨子が国宝に指定されています。
この厨子には武田勝頼ゆかりの文殊菩薩、毘沙門天が安置されています。
なお、ここでは住職が境内で栽培したブドウを使い自ら醸造したワインを販売しています。
参拝の記念に是非!
勝沼ぶどうの丘(宿泊棟)
ぶどうの丘の施設を楽しむため早めのチェックインをしましょう。
勝沼ぶどうの丘は360度ぶどう畑に囲まれた、ぶどうとワインのサンクチュアリ。
一面に広がるぶどう畑の小高い丘のてっぺんにぶどうの丘施設があります。
季節ごとに彩りを変えるぶどう畑の風景にしっくりとなじみ”甲州市”のシンボルとなっています。
勝沼ぶどうの丘(ワインカーヴ)
甲州市推奨の約200銘柄・約2万本のワインを一堂に揃えたワインカーヴ(地下ワイン貯蔵庫)です。
ここでは約180種類のワインの試飲ができます。明日のワイナリー巡りに備えお気に入りのワインを見つけませんか?
・営業時間:9:00~17:30
・料金:1,520円(試飲容器購入代金)
勝沼ぶどうの丘(温泉&レストラン)
ゴルフ後の体を癒す「天空の湯」とワインにあったディナーを楽しめる「展望レストラン」。
両施設とも甲府盆地はもちろん南アルプスまで見渡せる眺望が楽しめます。
高アルカリ泉質の天然温泉”天空の湯”は大パノラマを眼前に開放的な雰囲気の健康温泉です。
寝湯やミストサウナ露天風呂を備えたリラクゼーションスペースとなっています。
甲府盆地はもちろん南アルプスまで見渡せる眺望は、レストラン自慢の一つ。
特にディナータイムには、きらめく百万ドルの夜景がお楽しみいただけます。
料理は、勝沼ワインを最高に味わっていただくためにシェフが腕をふるった、ぶどうの丘ならではの“勝沼ワイン料理”が中心です。
なお、勝沼ぶどうの丘は山梨県で5ヶ所目の「恋人の聖地」に認定されています。
恋人の聖地プロジェクト
https://www.seichi.net/sanctuary/post-1423/
Day2
勝沼ぶどう郷駅レンタサイクル「ぐるりん」
https://docomo-cycle.jp/koshu/
ホテルを出発したら、勝沼ぶどう郷駅前で自転車を借りましょう。
飲酒できるようタクシーorバス、または電動アシスト付きシェアレンタサイクル「ぐるりん」を利用します。
※「ぐるりん」は3か所のポート駅いずれかに返却すればよいため、「勝沼ぶどう郷駅」にてレンタルし、ワイナリー群に行く際に一番近い「勝沼支所」にて返却がおすすめ。
飲酒後は交通機関を利用しましょう。
クレジットカードや交通系ICカード、現金などで借りられる、お手軽レンタサイクル「ぐるりん」。
坂道の多い甲州市内を快適に観光していただくために、全車両が電動アシスト付きです!
クレジットカードや交通系ICカード、現金などで借りられる、お手軽レンタサイクル「ぐるりん」。
坂道の多い甲州市内を快適に観光していただくために、全車両が電動アシスト付きです!
葡萄工房ワイングラス館
http://www.tanzawa-net.co.jp/shop/12.html
「ワイングラス館」は様々な種類のワイングラスの販売施設です。
体験工房では、ガラス切り絵などが体験できオリジナルワイングラスを作ることが出来ます。
ワイングラスに絵や文字を彫刻する作業を‟グラインダー“といいます。
要する時間は40分~60分。
ふたりの記念グラスを描いてみませんか?
ランチ ほうとう処 慶千庵
https://www.koshu-kankou.jp/map/inshoku/keisenan.html
山梨県に来たら季節を問わず、一度はほうとうを食べましょう。
甲州市にはほうとう屋さんがたくさんありますが、ワイナリー巡りをするなら慶千庵は立地的に便利です。
店内は広く、椅子席も座敷席もありますがピーク時は混雑することもありますので注意が必要です。
ワイナリー巡り
https://www.koshu-kankou.jp/map/wine/
昨日、宿泊した勝沼ぶどうの丘でお気に入りの甲州ワインは見つけましたか?
すでにこの「甲州市ワイナリーガイド」のMapはどこかで手に入れているでしょう。
お気に入りのワイナリーにて試飲や工場見学などを楽しみましょう。
市内はワイナリーが点在し、徒歩圏内での移動が可能な場合が多いため、日本遺産になっている「葡萄畑」の景観を楽しみながら何社もハシゴしても楽しいですよ。
さぁ、ワイナリー巡りでほろ酔いになったら帰りましょう。
帰りは勝沼ぶどう郷駅からですね。
武田信玄と甲州ワインの歴史旅(男性4人ゴルフ仲間編)
次は男性4人の旅をお願いします。
手塚さん:男性の旅ですから歴史と温泉をテーマにモデルコースを組んでみました。
Day1
都内を4人で車に同乗して、最初に塩山CCでラウンドしましょう。
そして宿に向かう手前でちょっと寄り道しましょう。
恵林寺(武田信玄公宝物館)
信玄公の菩提寺。国指定名勝の庭園や武田不動尊など見どころも多いお寺です。
併設している武田信玄公宝物館では武田家に関する資料や武具甲冑など貴重な文化財を見ることができます。
特に明王殿には武田信玄公が生前に対面で摸刻させたという、等身大の不動明王があり必見です。
塩山温泉郷
https://www.koshu-kankou.jp/map/ryokan/
塩山という地名の由来と言われる塩の山。
その南麓を源泉とする塩山温泉郷は、開湯650年といわれる歴史ある温泉郷で、信玄公の隠し湯としても有名。
風情ある5軒の温泉宿での、心づくしのもてなしに、心の奥まで癒されます。
旅館の料理や周辺の食事処で郷土料理に舌鼓を打ちましょう。
旅館名 | 2名一室 宿泊費 | 食事 | 特長 | 公式HP |
---|---|---|---|---|
宏池荘 | 8,400円~ | 朝・夕 | 貸切露天、貸切風呂 | https://kouchisou.com/ |
中村屋旅館 | 6,700円~ | 朝・夕 | 木曽檜風呂 | http://www.nakamuraya-enzan.com/ |
旅館ゆばた | 11,000円~ | 朝・夕 | 陶板焼き、ゆばた鍋 | http://yubata.com/ |
元湯 廣友館 | 11,000円~ | 朝・夕 | 露天風呂、サウナ | https://www.koshu-kankou.jp/map/ryokan/kouyuukan.html |
旅館 大和 | 12,000円~ | 朝 | 貸切風呂 | https://www.yamatoryokan.com/ |
別邸 坐忘 | 32,000円~ | 朝・夕 | 高級旅館、全18室 | http://www.fuefukigawaonsen.com/ |
なお、別邸坐忘は塩山温泉の北、1kmほどの恵林寺近くにあります。
塩山温泉郷のエリアではありませんが、人気旅館のひとつです。
夕食 完熟屋
もし、外食されるなら完熟屋がオススメです。
こちらは120年前の古民家を改装して郷土料理、地の食材・お酒を提供しています。
看板メニューのほうとうはもちろん、山梨名物の一つ『とりもつ』や、『竹かご御膳』『花げた寿司』など男子4人で行く居酒屋としてはベストなお店です。
Day2
2日目は観光してBBQして最後は再び温泉で汗を流しましょう。
宮光園・ワイン資料館
https://japan-wine-culture.jp/point/detail/60/
日本の本格的ワイン醸造のルーツを知ることができる宮光園および、現存する日本最古のワインや歴史資料や道具などを展示しているワイン資料館を見学し、甲州市の文化や、日本のワイン史に触れましょう。
・開館時間:9:00~16:30
・定休日:火曜日
・入館料:200円
ぶどうの国文化館
https://www.city.koshu.yamanashi.jp/map/info/2021052700036/
勝沼地域のブドウとワインの歴史と文化を、実物大のろう人形で当時の様子を再現し紹介している施設です。
その他に年に数回、ぶどうとワインに関する様々な展覧会を開催しています。
入口にあるビデオでは、「宮光園映像資料」の様子が上映されており必見です。
・開館時間:9:00~16:30
・定休日:HPを確認
・入館料:無料
日川渓谷レジャーセンター
https://daibosatsu-kankou.com/leisure/
ここでBBQランチをしましょう。
ひとり2,400円から利用できる「手ぶらコース」で大自然の中、ワイワイやってください。
ニジマス釣りもできてその場で食べられます。
やまと天目山温泉
http://www.daibosatsu-kankou.com/facility/yamato_tenmoku_hotspring.php
日川渓谷レジャーセンターから車で5分ほど登ると、やまと天目山温泉があります。
Ph10.2という日本でも数少ない高アルカリ性のお湯は肌がツルツルになります。
・営業時間:10:00~19:00
・定休日:水曜日
・利用料:520円
道の駅甲斐大和
温泉に浸かって小腹が空いていませんか?
この大和地区はそば切り発祥の地なんです。
ぜひ、本格蕎麦を召し上がりつつ、ご家族のお土産も買って帰りましょう。
お疲れ様でした。それでは東京に向かって出発です。
これからの甲州市の観光
Q:甲州市は県内観光客数ランキングでいうと何位くらいなんでしょうか?
また、甲州市の伝えたい魅力や今後のビジョンがあれば教えてください。
手塚さん:はい、甲州市は県内で5位です。
ワイナリーの数は日本一であり、ブドウ狩り園も100軒以上を誇る全国屈指のブドウの産地ですが、桃、サクランボ、イチゴ等、多種多様なフルーツも栽培しております。
甲州市は年間を通じてフルーツ狩りを楽しめる「フルーツ王国」であることをもっと知ってもらいたいですね。
展望としては、フィルムコミッションやSNSの活用をしながら、若者の来訪の増加をしたいです。
思わずSNSで発信をしたくなるような魅力的な観光地を目指していきたいです。
新宿から90分で来れるアクセスの良さがウリですし、通年で何度も観光にいらしてください。
オススメのお土産
Q:山梨のお土産は信玄餅があまりに有名ですが、甲州市に来たなら地元のこのお土産!というのを教えていただけますか。
①はまやらわの名水わらび餅
手塚さん:まず「わらび餅」です。山の湯宿・はまやらわの名水わらび餅をオススメします。
伝統の手法で他には見られない、とろける食感のわらび餅です。
TVでもよく取り上げられています。
②うらじろまんじゅう
次に「うらじろまんじゅう」です。
これはオヤマボクチという葉の裏側が白いキク科の葉を練り込んだ餅なんですが、ヨモギとは違った風味で人気です。
道の駅甲斐大和でしか作っていません。が、すぐに売り切れてしまいます。
③干しブドウ
それから「干しブドウ」です。
甲州市で採れた巨峰やシャインマスカットを干しブドウにした逸品です。
ブドウの旬でなくても食べれるのでこれも人気です。
④枯露柿(ころがき)
最後に、高級品になりますが「枯露柿」です。
甲州市の松里地区の名産です。
甲州百目柿という大きな柿の皮を剝き、つるし干しにし、ひとつひとつ手で揉んで中の水分を抜いていきます。
さらに乾いてきたら天日干しにします。
主格から出荷まで1ヶ月半もかかる手が込んだものなので、12個入り5,000円以上することもある、とても高価なお土産ですから、ご進物として利用する方が多いですね。
Q:甲州市にこれだけオリジナルのお土産があるのは驚きました。また、甲州市には大菩薩峠という有名な山があります。手軽に登れる山ですが、高尾山の様にはなれてません。ロープウェイやゴンドラがあれば紅葉シーズンはもちろん、手軽な観光客を多く呼び寄せることができると思います。
■甲州市観光協会HP「ぐるり甲州市」
https://www.koshu-kankou.jp/
<取材:2022年2月 構成:影山 篤(JGJA日本ゴルフジャーナリスト協会会員)>