私はゴルフを始めたばかりの頃はよく先輩と河川敷コースに行ってました。
そう、河川敷コースはフラットなライ、アクセスの良さ、料金の安さで初心者には最適とされます。
そして、上達しだすと河川敷コースをバカにする者もいます。
しかし、河川敷コースは別名「スコットランドのようなリンクス」とも呼ばれます。
強い風と硬いバンカー、荒れたラフや藪があり、芝の状態も独特。そして歩きのプレー。
あのジャンボ尾崎は埼玉県のノーザンCC錦が原ゴルフ場で、青木功は東京都民ゴルフ場で修行したという有名な話もありますし、ちばてつや先生の名作「あした天気になぁれ」の主人公も荒川の河川敷コースでゴルフを覚え、全英オープンで優勝しました。
さて、河川敷コースとは、どんなコースなんでしょう。
JGJA日本ゴルフジャーナリスト協会会員でゴルフ歴35年、年平均40ラウンド、これまで700コース以上をプレーしている私が実際にラウンドしてきましたのでレポートしますね。
Contents
赤羽ゴルフ倶楽部の口コミと評判
赤羽ゴルフ倶楽部へのアクセス
新宿から埼京線で20分。駅からコースまで徒歩7分という、都心から最も近いゴルフ場です。
住所:〒115-0051 東京都北区浮間2-18-7 TEL:03-3966-6155
首都高速道路/板橋本町ICより5㎞
板橋本町ICで降り、国道17号線を大宮方面に向かう。志村橋を渡り、200m先の信号を右折。浮間ヶ池を過ぎ、左折しコース。また戸田橋渋滞時には手前の志村坂下交差点を右折。橋を渡り道なりに、お寺の角を左折、800m先(土手の手前十字路)を左折しコースへ。
JR埼京線・浮間舟渡駅(JR埼京線・浮間舟渡駅下車 徒歩7分
【クラブバス】浮間舟渡駅から、6:45~9:30 15分毎
赤羽ゴルフ倶楽部のドレスコード
来場時のジャケットの着用などの規定はありません。
プレー時も基本的なゴルフウェアであれば、シャツの裾を出していても大丈夫です。
赤羽ゴルフ倶楽部の練習場
ドライビングレンジ(戸田橋ゴルフ練習場)
ドライビングレンジは少し遠い場所にあります。車で3分。徒歩10分です。
距離は240yd。料金は48球までなんと無料です。
受付でスタート時間と名前を伝えれば、空いている打席で打ちっぱなしです。
練習場へは必要なクラブを抜いたあとで、ポーターにキャディバッグを預けます。
ポーターは車でキャディバッグをスタートホールまで運んでくれます。
屋根のない、開放的な屋外練習場です。
しかし、マットは荒れており、ティーも60mm以上のロングティーはありません。
それでも、45球無料は嬉しいですね。
アプローチ、バンカー練習場
アプローチやパッティンググリーンはコースの側にあります。
クラブハウスからコースへは、徒歩で土手を越える(3分ほど)か、クラブバスで行きます。
アプローチとバンカーの練習場は隣り合っており、1番ホールのすぐ横です。
かなり広いスペースなので、十分練習できます。
パター練習場
パッティンググリーンもスタートホールの近く。
グリーンのスティンプメーターは9.0ftです。
ロングパットの練習よりも2mくらいの距離を4方向から打って感覚を掴んでおきましょう。
また、プロがよくやる練習はカラーからのアプローチをパターでやる練習です。
よくあるパターンですので転がり具合を確認するのも大事です。
赤羽ゴルフ倶楽部の攻略法(レギュラーティー /Aグリーン/Bグリーン)
コース全体の特長
フラットなライ。傾斜も打ち上げもなく、練習場のように打てるので初心者には最適です。
しかし、初心者に優しいのは晴天無風時だけ。
河川敷は遮る山も無く、樹木も低いので風が吹くと打球が翻弄されます。
また、ラフなど芝が荒れていることもよくあるので、打ち方の練習にもなります。
また、フラットだからこそ、ハザードが見えづらく捕まりやすいのです。
OUTコースは右サイドがすべてOB。INは14番まで左サイドがすべてOBです。
バンカーは砂質が硬く、ソールが弾かれることもあります。
そのため、手前の砂を薄めに取り、フルショットしないことがコツです。
ブッシュもあちこちにあります。無罰で打てますが、無理せずアンプレアブルしましょう。
グリーンはコーライ芝です。
普段ベント芝に慣れている人には上りのパッティングが重く感じます。
近年の夏の猛暑でベントグリーンはダメージを受けましたが、コーライは大丈夫。
芝の状態はかなり良かったです。なお、2グリーンで面積は小さめです。
1番ホール A 375yd B 373yd Par4
私が行った時はティーイングエリア周辺が工事中で、137yd Par3でしたが、今回はミドルホールとして紹介します。
ストレートのミドルホール。左サイド240yd付近に池があります。
フェアウェイは広いので、今日のドライバーの調子を確認する意味でもセンター狙いでショット。
ガードバンカーはややアゴがあります。
河川敷コースは台風時に増水して水没することもあるため、一般のコースのようなバンカー構造ではありません。
硬い層の上に薄く砂が撒いてある程度なので、ダフる厚みを考えて打ちましょう。
この日はBグリーンでした。グリーンは基本的に砲台で小さめです。
芝目はあまりなく傾斜をしっかり読めば入ります。
1番グリーンは受けており2段グリーンです。
2番ホール A 380yd B 382yd Par4
ショットを曲げてはいけないミドルホールです。
右サイドはグリーンまでOB。しかもかなり浅いです。
林の中に入れたら即OB。
ティーイングエリア横にネットがあり、そもそも打ちづらいんです。かと言って左を向くとブッシュが見えます。
右サイドのクロスバンカーまで200yd。縦長なので入りやすいです。
しかし砂が締まっているのでショットはしやすいはず。
このガードバンカーからピンに絡めるのは難しいです。
グリーンは饅頭型。センターに乗せるようにしましょう。
3番ホール A 160yd B 163yd Par3
距離感が大事なショートホールです。右サイドはずっとOB。
Parを確実に獲るなら2グリーンの間です。
ガードバンカーはアゴが高くやっかいです。入れないようにしたいですね。
4番ホール A 477yd B 475yd Par5
ややドッグレッグするロングホールです。
飛ばし屋は2オンチャレンジしてみましょう。
ティーイングエリア前の池は関係ないので気にしないで。
狙い目はフェアウェイならどこでもOKです。
2打目がスタイミーになるレイアウトではありません。
グリーンは砲台。小さいけど深いガードバンカーが効いてます。
グリーンの向こうのタワマンは川を挟んで、川口市です。
5番ホール A 326yd B 300yd Par4
とても変わったレイアウトのミドルホール。ドライバー禁止です。
フェアウェイにある赤白のガイドポールまで180yd。目印にします。
ガイドポールを越えてはいけません。
このガイドポールからBグリーンまでは111yd。右のAグリーンは138ydです。
グリーンまでの間に大きなブッシュがあり、ピンの頭しか見えません。
ブラインドホールのつもりで真っすぐにショットです。
グリーン周りにガードバンカーは無いので、2打目がグリーンを外してもアプローチ次第でParが獲れます。
6番ホール A 309yd B 342yd Par4
6番から折り返し。右サイドが荒川となる短いミドルホールです。
OBがすぐに見えるくらい浅いです。
バンカーの無いホールなので思い切ってティーショットをかましましょう。
グリーンまで広い花道。ランニングアプローチという選択肢もあります。
河川敷コースのフェアウェイは硬いので普通に打つと左右に曲がってしまう人はランニングアプローチがいいでしょう。
玉を右足寄りに置いて、狭いスタンスでハーフスイングします。
何度もチャレンジしてコツを掴みましょう。
グリーンはアンジュレーションがキツいので、そこは注意。
7番ホール A 495yd B 512yd Par5
ストレートのロングホールです。
狙い処は正面に見える一番高い高層マンション。
2オンは難しい距離なので、アプローチを考えて2打目のクラブを決めましょう。
アプローチは右サイドからのほうが寄せやすいです。
左のAグリーンはオーバーすると即OBです。
8番ホール A 498yd B 502yd Par5
ロングホールが2ホール続きます。
とにかくティーショットで右は厳禁です。
フェアウェイの左サイドに大木が突き出ています。
2打目のスタイミーになるので、ティーショットはセンターがベストです。
右サイドのブッシュは結構近く感じます。ここに入れようものなら即暫定球を打つこと。
ガードバンカーはグリーン横です。2つのグリーンの間を狙ってもいいくらいです。
グリーンはピッチマークも少なく、よく手入れされてました。
9番ホール A 174yd B 184yd Par3
距離の長いショートホール。
ワンオンを狙うとフェアウェイ両サイドにある大木に当たるかも。
ロングアイアンで砲台グリーンに乗せるのは技術がいります。
手前にレイアップして、短い距離のアプローチで寄せたほうがParチャンスがあります。
10番ホール A 349yd B 328yd Par4
後半のスタートホールは見晴らしが良く、広いミドルホールです。
右に大きく曲げない限りは2打目でグリーンを狙えます。
吹き流しまで230yd。
フェアウェイ芝はよく目が詰まっており、良好な状態です。
グリーン手前には大きなバンカー。
2打目の距離を間違えると飲み込まれます。
大きめに打つか、あえてグリーンを狙わないか。
グリーンは素直なラインです。
11番ホール A 144yd B 134yd Par3
狙いやすい距離のショートホール。
少し大きめに打ったほうがバンカーに捕まりません。
ここのガードバンカーは入れてはいけないハザード。
このアゴとピンまでの距離を考えたら、寄せるショットより脱出するショットを選択したいですね。
グリーンは高いので低い球筋では外に出てしまいます。
12番ホール A 484yd B 480yd Par5
ストレートのロングホールですが、打ち出しが狭くてプレッシャーがかかります。
左側のネット、なんとかならないのでしょうかね。
このガイドポールがターゲット。右サイドに池があります。
グリーン手前、100yd付近に大きな柳があります。
3オンには柳を避ける事です。グリーンは砲台で距離感が試されます。
13番ホール A 309yd B 332yd Par4
距離の短いミドルホール。飛ばし屋はグリーン近くまで運べます。
他のホールよりフェアウェイが狭いので安全策を狙うならティーショットはアイアンでもいいでしょう。
左右のラフには大柳があるので、フェアウェイを外してはいけません。
また、ガードバンカーはアゴが垂直で脱出が厳しいので入れないようにしましょう。
グリーンをオーバーするとOBの危険もあります。
アプローチは手前から。
14番ホール A 376yd B 385yd Par4
INコースで一番難しいミドルホール。
左サイドは荒川で即OB。
右サイドにもクリークがあり、ティーショットはフェアウェイキープがマストです。
右のクリークは赤杭ですが水はありません。
もしそのまま打てるようなら打ってもOKです。
ソールをしてもOKというルールとなりました。
グリーン手前にはガードバンカーがあるように見えます。
しかし近づいたら、窪みでした。
芝が長いわけではないのでグラスバンカーではありません。しかし荒地ですのでクリーンに球をヒットしましょう。
15番ホール A 317yd B 315yd Par4
短いミドルホールです。
両サイドにはクリークがあり、ここもフェアウェイをキープしたいですね。
左サイドの池までは220yd余りです。
2打目はやや打ち上げで砲台グリーンへ。1番手上げてもいいでしょう。
16番ホール A 356yd B 353yd Par4
フェアウェイをクリークが囲む変わったレイアウトのミドルホール。
とはいえ、ティーイングエリア前のクリークも両サイドも気にしなくていいでしょう。
飛ばし屋は280yd先のクリークのみケアしましょう。
2打目はグリーン手前のクリークとの距離を確認してクラブ選択を。
クリークを越えたらガードバンカーもないので思い切って攻めましょう。
17番ホール A 123yd B 115yd Par3
ホールインワンがよく出るショートホールです。
池もクリークも、この距離なら関係ないでしょう。
しっかりワンオンしてParを獲るチャンス。
グリーンも素直なラインで、アンジュレーションもほぼありません。
18番ホール A 389yd B 395yd Par4
距離のあるミドルホールです。
ドラコン推奨ホールですから飛ばしにいきましょう。
フェアウェイ両サイドにある大柳は約250yd地点にあります。
フェアウェイを外すと必ず2打目がスタイミーになります。
2打目は手前から寄せる感覚で。グリーンオーバーするとOBもあり得ます。
売店
コース内に売店ありません。飲料はキャディマスター室内で購入できます。
WCはスタートホールとOUT4番、IN13番、16番にあります。
特に夏場の河川敷コースは日陰が少なく、熱中症のリスクも高いです。
来場時から飲料をたっぷり持参してラウンドしましょう。
手引きカート
河川敷コースに乗用カートはありません。
手引カートです。
スタートホール前にたくさん置いてあるカートを自身で選んで、キャディバッグを積んで、プレーします。
手引カートは車輪の動きなどクセがある車体もありますから、何台か試してみたほうが良いですよ。
プレー時は球の側までカートを持ってこれるので、クラブ選択が楽という利点もあります。
また、荷物入れも大変小さいので、ヘッドカバーはキャディバッグのカバーの中に入れ、ウェアもバッグの中など工夫しましょう。
スコアカード
コースレイアウトが表面に書いてありますが、あまり参考になりませんね。
スコア記入面はWCの場所が明記してあり助かります。
なお、河川敷コースで悪天候になると落雷の危険はかなりあります。
避雷小屋の場所も併せて明記しておいてほしいですね。
ティーは4つ。一般男子はレギュラーから。
女子はフロント。高齢者はゴールドティーです。
赤羽ゴルフ倶楽部の施設をチェックしました
クラブハウスと歴史
赤羽GCは1957年開場。
戦後、この河川敷は食料不足の時代でもあり菜園だったそうです。
しかし、肥料に人糞を使っていたため悪臭がひどく、あれこれ検討した末にゴルフ場として造成を決めました。
設計は川崎国際CCをデザインした平山孝。
そして、同僚だった富澤誠造も加わり設計を担当しました。
ところで、河川敷コースは気象と深い因縁があります。
それは台風による荒川の増水と水没。開場からの62年間で16回も水没しています。
特に最後の2019年の水没が最もひどく、営業再開までに約2ヶ月間を要しました。
コースとクラブハウスとの間には高い堤防があり、クラブハウスは住宅街の中にあります。こちらは安全。
なので、スタート小屋や、カートなどはすべてクラブハウス側に移動したそう。
現在のクラブハウスは2010年にリニューアル。
周辺が住宅街のため、英国の邸宅をイメージした外観でとても美しいです。
インテリアも凝っていて、ステンドグラスやシャンデリアを配置し、シックな落ち着きがあります。
受付もホテル風。楽天チェックインは使えません。
また、精算は精算機が使えます。
ロッカールーム
ロッカーは別料金です。
上下2段に分かれています。
幅もそれほどあるわけではないので、大きな荷物は車のトランクに入れておくことをオススメします。
ハンガーはありますが、ジャケットを掛けても、下を擦るかも。
スリッパと靴ベラはロッカー内にはありません。共用となります。
化粧室
洗面所は御影石風の天板で、オシャレ。うがい薬もありました。
また、ペーパータオルではなく、布タオルが常備されていたのは意外でした。
レストラン
高い天井にヨーロッパ調の照明。とても河川敷コースには見えません。
むしろ、高級コースのようなデザインです。
・選べるミニ丼とうどんまたはそばのセット 1,440円
(ソースカツ丼かしらす丼から選択)
・鯖の味噌煮と4種のお惣菜定食 1,280円
・賑わいうどん 1,280円
・醤油ラーメンセット 1,390円
・牡蠣フライ定食 1,890円
・カツサンド(サラダ、コーヒー付)1,590円
・ロースカツカレー(サラダ付) 1,790円
・スパイシービーフカレー 1,000円
・黒酢の酢豚定食 1,490円
・石焼き麻婆豆腐セット 1,540円
私は「選べるミニ丼とうどんのセット」をいただきました。味は普通といったとこでしょうか。
大浴場
リニューアルしただけあって、大浴場もとてもキレイです。
浴槽は小さめですが、何の問題もありません。
リンスインシャンプーではなく、ちゃんとコンディショナーも備えてありました。
脱衣所もとても清潔。
洗面所の化粧品はクラシエのZIOT。
ヘアトニック、リクイド、ローション、乳液が備えてありました。
プロショップ
プロショップは小さめ。
ボール、ティー、グローブの他、シューズが少しありました。
シューズを忘れる方って意外と多いですからね。ウェア類はありません。
また、お土産類も売っていませんでした。
赤羽ゴルフ倶楽部をレーダーチャートで分析
評価 | 解説 | |
---|---|---|
コースの面白さ | 2 | 挑戦欲が掻き立てられるか。 |
コースの起伏 | 5 | 起伏があるほうが数値が低い。 |
フェアウェイが広い | 4 | フェアウェイの幅。 |
距離が長い | 3 | レギュラーティからの距離。長い方が数値が高い。 |
グリーンの難易度 | 2 | アンジュレーションが効いているか?難しい方が数値が高い。 |
ハザードの難易度 | 4 | バンカーや池等の数や配置。難しい方が数値が高い。 |
OBの危険度 | 3 | OBゾーンが近いか?危険度が高いほど数値が高い。 |
コースの景観 | 3 | コースからの眺望。植栽の美。 |
メンテナンス | 4 | 下草の処理や、グリーンの状態など。 |
付帯設備・キャディ | 3 | 練習場の充実度。カートやグリーンの解説等(キャディ含) |
料金 C/P | 5 | コース評価に対して料金が安ければ数値が高い。 |
アクセス | 5 | 都心からの距離。最寄りICからの距離も参考。 |
食事が美味しい | 3 | メニュー量や味、レストラン充実度など。 |
ホスピタリティ | 3 | スタッフの姿勢。設備や備品の心遣い |
楽天GORAの評価ポイント8項目より多い、14項目で診断しました。
まず、初心者のコースデビューには最適。1年間通えば、かなり上達するでしょう。
アクセス抜群でリーズナブルな料金。
特に車を持っていない若者は近県の河川敷コースを制覇するくらいラウンドしましょう。
しかし、河川敷コースは天候により難易度が変わります。
なので、河川敷を馬鹿にする者は河川敷に泣くことにもなりかねません。
ここには単純ではない面白さがあります。スイングに悩んだら河川敷に戻ることをオススメします。
■赤羽ゴルフ倶楽部 ホームページ https://www.akabanegolf.co.jp/
(2023年11月取材・構成:JGJA日本ゴルフジャーナリスト協会会員 影山 篤)