北海道の芝は鮮やかな緑で美しいという話をよく聞きます。
それは芝の種類が洋芝だから。グリーンと同じベント芝をフェアウェイに施しているコースもあります。
そんなコースでプレーすると足元がフワフワと絨毯の上を歩いているみたいになり、ターフはペロッと大きく剥がれます。
しかし、ベント芝は手入れがものすごく大変。
剥がれた芝のメンテナンスだけでも人手が必要ですし、少雨や猛暑だと枯れてしまうので、スプリンクラーを稼働し続けます。
そこで、フェアウェイはベントでもラフは野芝や、手入れがそれほどでもない別の洋芝で対応しているというゴルフ場がほとんどです。
北海道で、フェアウェイもラフもベント芝というコースはあまりありません。
それは上記の理由からですが、それでも「オールベント」にこだわっているコースはいくつかあります。
しかし、トーナメントコースか、料金が高額なコースです。
それではなかなか庶民は行けませんよね。
しかし、今回取材したSIRル・ペタウゴルフコースはオールベントなのに、料金もリーズナブルなコースでした。
そして、北海道の他のコースとは違う、ヨーロッパ調のゴルフ場です。
さて、SIRル・ペタウゴルフコースはどんなコースなんでしょう?
ゴルフ歴35年、年平均40ラウンド、これまで700コース以上をプレーしている私が実際にラウンドしてきましたのでレポートしますね。
Contents
SIRル・ペタウゴルフコースの口コミと評判
SIRル・ペタウゴルフコースへのアクセス
新千歳空港から車で約30分、近くの道東自動車道の追分ICから約10分です。
周辺には美瑛のような田園風景が広がり、インスタ映えポイントがたくさんあります。
また、アウトレットモール「RELA」が近いので帰りにお買い物も楽しめます。
住所:〒059-1985 北海道勇払郡安平町追分春日11番地
TEL:0145-25-3332
札幌インターチェンジから60.5km 約65分
道東自動車道 追分ICから7.5km 約10分
(一般道)札幌(国道274号線)→39.6km→三川→10.4km→コースへ。
JR石勝線 ・追分駅 (JR石勝線・追分駅下車)
タクシー利用 JR追分駅 15分 2000円程度
【クラブバス利用】クラブバス なし。
SIRル・ペタウゴルフコースのドレスコード
ル・ペタウGCには厳格なドレスコードは義務付けておりません。リゾートコースなので自由におしゃれを楽しみましょう。
しかし、図にあるように基本的なドレスコードは守ってくださいね。
望ましい服装
- シャツの裾はパンツにIN
- 襟つきシャツ
- ハイネックカラー付き
望ましくない服装
- Tシャツ
- Vネック
- Uネック
- ヘンリーネック
- タンクトップ
- ジャージ素材のズボン
- ジーンズ
- サンダル類
- クロックス
- タオルをかける
近年、アパレルメーカーが女性をターゲットにファッショナブルなゴルフウェアを数多く発表しています。
ゴルフ場は非日常の場。男性もオシャレしてプレーしたいですね。
SIRル・ペタウゴルフコースの練習場
パター練習場
ル・ペタウGCのグリーンのスティンプメーターは平均9.0ft。
グリーンが大きいのでロングパットの機会が多くなります。
長い距離の練習はもちろんですが、2mくらいの距離もタッチを合わせる練習をしておきましょう。
ル・ペタウGCのグリーン芝のタネの蒔き方はインターシード方式。
まだら模様に見える部分はラインが読みにくく、切れやすいので強めにしっかり打ちたいです。
ドライビングレンジ
開放感のある練習場です。距離は約250ydもあり、打席数は12打席。
料金は30球330円です。キャディマスター室でコインを購入してから行きましょう。
ネットの無い練習場は北海道のコースならでは。海外コースのようです。
バンカーおよびアプローチ練習場
ドライビングレンジに隣接しているバンカーとアプローチのグリーン。
バンカーが3つもあり、かなり贅沢です。
バンカーの砂はゴルフ場ごとに異なります。
そのため打ち方もそのコースの砂に合わせた打ち方があります。
また、ラフもベントですから、アプローチの距離感はここで確認しておきましょう。
SIRル・ペタウゴルフコースの攻略法(レギュラーティー)
SIRル・ペタウゴルフコースの特長
雰囲気はスコットランドのゴルフ場。
整備しすぎず、花や自然を活かしたところもあります。
フェアウェイもラフもベント芝です。
芝が柔らかいので球が沈み、いつものようにコーライ芝からの打ち方をしているとトップが多くなります。
また、深く打ちこむとターフがベロッと剥がれるので、必ず元に戻しておきましょう。
ラフはあまり長くないので思ったほど粘りを感じません。
コースレイアウトはトリッキー。
フェアウェイは狭く、左右どちらかがOBで浅いので方向性重視のマネジメントが必要です。
グリーンは難しいです。
大きなグリーン、アンジュレーション、2段グリーン等、ラインを見つけにくいです。
グリーンをもっと速くしてしまうと、スロープレーに繋がりますので、9.0tより速くはできませんね。
バンカーは白砂。
アゴも高くないので、さほど難しくはありません。
砂の柔らかさもちょうど良い感じ。
しかしグリーンが大きいため、ピン位置によっては30ydの寄せが求められます。
しかし、バンカーから距離感を出すのは難しいので、まずは脱出優先を考えましょう。
<ウッドランドコース>
1番ホール 387yd Par4
30mもの打ち下ろしのミドルホールです。
200ydくらいからかなり下っていますのでどんどん転がり距離が伸びます。
左サイドは傾斜になりOBゾーンが浅いので、センターから右サイドを狙いましょう。
右はのり面ですから林に入らなければフェアウェイまで落ちてくるかも。
左右のクロスバンカーまで255ydですが、下り斜面の勢いで入ることもあります。
2打目はフラットなライから打てるでしょう。
左サイドにはガードバンカーが構えているので右サイドから乗せていきたいですね。
グリーンはかなり大きいです。3パットも仕方ないかも。
グリーンの形状とピン位置を知っていれば、レイアップしてグリーン脇からアプローチしたほうがParを獲れるホールです。
2番ホール 554yd Par5
H/C1の鬼門と言われるロングホールです。
フェアウェイ幅が狭く、左サイドは斜面でOB。右、右とカート道路に沿って打っていきましょう。
グリーンまでクロスバンカーはありません。
力むとチーピンが出やすいので、ゆったりと打ち、方向性を重視しましょう。
グリーンはL字の2段グリーン。かなり大きいです。
2打目でグリーン近くに寄せて、コントロールできるアプローチの距離を残すことが大事なホールです。
3番ホール 387yd Par4
やや打ち上げのミドルホール。
右サイドが斜面になっているので左サイド寄りにティーショットを打ちたいです。
しかし、クロスバンカーが200yd付近にあるのでそれにも注意。
ショットを曲げてOBの場合は暫定球を打ちましょう。特設ティーはありません。
芝がハゲているのはプレーヤーの責任が大きいです。
ベント芝はターフがめくれやすいので必ず、ターフを戻し、目土をしましょう。
最低限のマナーです。
グリーンまでは少し打ち上げ。
ガードバンカーもアゴが高いので砂を薄く取ってショット!
4番ホール 329yd Par4
谷越えのミドルホールです。
谷の長さは120ydですが、森が迫りものすごくプレッシャーがかかります。
ちなみにレギュラーティーからフェアウェイまでは180ydです。
両サイドはのり面になっており多少の曲がりはキックして落ちてきますが、林に飛び込むとOBです。
2打目は打ち上げ。1番手大きいクラブを持ちましょう。
グリーンは変わった形のひょうたん型で2段グリーンです。
2mもの高低差があるのでアプローチではピンと同じ段に乗せることがParの条件ですね。
5番ホール 155yd Par3
手前にバンカーや池は無いのに、様々なハザードが隠れているショートホールです。
グリーン手前までは急斜面になっており、ミスすると谷底です。
OBはプレーイング3から3打目です。
グリーンはブーメランのような形で奥行きが無く、オーバーすると奥の3つのポットバンカーの餌食です。
このホールは距離感が求められます。
6番ホール 390yd Par4
左ドッグレッグのミドルホールです。
正面にクロスバンカーがありますが、ティーイングエリアからは確認できません。
飛ばし屋はバンカーに入るか森まで突き抜ける可能性があります。森まで260yd弱です。
2打目はかなりの打ち下ろし。風向きとクラブ選択に迷うでしょう。
約14m打ち下ろしです。
大きめのガードバンカーが3つ取り囲んでいるグリーン。
2段グリーンではありませんが、広くアンジュレーションもあるのでピンまでの距離が遠いと3パットの危険。
7番ホール 173yd Par3
距離のある狭いショートホールです。
チーピンは必ずOBになります。
OBの場合は打ち直しです。特設ティーはありません。
カート道路沿いを狙って真っすぐにショット!
グリーンまではなだらかな下り。左サイドには大きめのガードバンカーがあり、さらに左は斜面でOBです。
グリーンは幅17ydで奥行きがある縦長です。
幅が狭いのでティーショットを打っていくのは難しいので距離よりも方向性が出せるクラブで打ちましょう。
8番ホール 370yd Par4
緩やかな上りの長いミドルホール。
右サイドはずっとOBですから左サイドから攻めましょう。
このホールも特設ティーはありません。
飛ばし屋は240yd強先にある蛇のようなクロスバンカーに入る恐れがあるためドライバーは持たないほうがいいでしょう。
グリーンは砲台。
グリーン右側は斜面で落ち込んでコレクションエリアになっています。
ピン位置に関わらず左サイドから攻めるのが正解です。
9番ホール 476yd Par5
レイアウトがとても美しい右ドッグレッグのロングホール。
ドッグレッグの左コーナーにあるバンカーまで255ydですが、ティーイングエリアから見えません。
フェアウェイは広く、2打目も安心して打てます。
2オンも狙えますが上りなので大きめに打ちましょう。
グリーンは砲台。
ガードバンカーが砲台の斜面にあるので、入りやすいです。
グリーンは3段で、大きなアンジュレーションがあります。
かなり難しいグリーンです。
<デューンズコース>
1番ホール 485yd Par5
「デューン」の意味は砂丘。
後半はバンカー攻略が鍵になりそうです。
スタートはストレートのロングホール。
馬の背のようなレイアウトで、ティーショットは左右の斜面に落とさないようコントロールしましょう。
2打目からは左サイドを狙って。
かなりの打ち上げになります。
バンカーはグリーン右サイドのみ。
グリーンは受けているのでピンハイ(ピン横)には付けず、必ずピン下にアプローチです。
2番ホール 339yd Par4
左ドッグレッグのミドルホールです。
デューンズの名に相応しいクロスバンカーが連なります。
ドライバーでティーショットをすると連続するバンカーのいずれかに捕まる可能性があります。
左サイドは傾斜して谷まで落ちているのでヒッカケ球はNGです。
連なるクロスバンカーは森へ突き抜けるのを防ぐ形状でボール止めの役割があります。
グリーンはとても広いのでアプローチはピンにできるだけ近づけたいですね。
3番ホール 155yd Par3
ほぼ谷越えになるショートホール。落としどころが難しいホールです。
グリーンは広いので乗せるだけなら150yd真っすぐ打つだけですが、ピンに寄せようと欲をかくと大ケガをします。
3番Hは救済が無いので、OBの場合は打ち直しです。
ガードバンカーは入れやすい絶妙な場所にあります。
グリーンは非常に大きいL字型で、ピン位置によっては1パットでは狙えません。
4番ホール 321yd Par4
短いミドルホール。
左サイドは斜面でOBですからカート道路沿いに右サイドに狙いを。
ティーショットがフェアウェイを捉えれば4番ホールは難しくありません。
グリーンはかなり大きい2段グリーンです。
しかし、パッティングラインは複雑ではないので、Parを獲りましょう。
5番ホール 376yd Par4
ティーイングエリアからはやや左ドッグレッグとなるミドルホールです。
左サイドコーナーのスネークバンカーは65ydもあり斜面への転落を防ぐレアバンカーです。
スネークバンカーまでは200ydほどですが、ティーショットは右サイド狙いですね。
2打目は打ち上げ。
グリーン左サイドまでOBが続いてますからグリーン右サイドを狙って打ちましょう。
ガードバンカーが無いので、ノンプレッシャーで2オンを。
芝をアップで撮ってみました。ラフが長くないので球が沈まず、打ちやすいと思います。
6番ホール 170yd Par3
20mも打ち下ろしで景観が良いショートホールです。
170ydと長いですが、風向きと打ち下ろしを見て番手を選択しましょう。
グリーン手前はポットバンカーです。
ポットバンカーは機械で均せないため、真ん中が硬くなります。
ウエッジのバンスが弾かれないよう靴裏で確認しましょう。
グリーン奥には細長いガードバンカーがありますが、それを越えるとOBです。
7番ホール 372yd Par4
ほぼストレートのミドルホール。
左右の森に入ればOBですが、150yd先からコース幅が広くなります。
この7番は特設ティーがありません。OBの際は打ち直しです。
2打目は打ち下ろし。
ガードバンカーは左サイドですから右から乗せたいですが、グリーン周辺には小さなマウンドがあり、キックによって運、不運があります。
グリーンを大きく外すと、OBに向かって傾斜しているので、確実に乗せるよう距離感を合わせましょう。
8番ホール 345yd Par4
打ち上げ打ち下ろしの右ドッグレッグのホールです。
ティーショットはカート道路の真上狙い。
カート道路沿いにはクロスバンカーがありますが170yd強のキャリーで越えます。
2打目は打ち下ろし。
ガードバンカーがグリーン前の花道に控えます。高い球でグリーンに止めたいですね。
グリーンはかなり大きい2段グリーンです。
そしてグリーンの外側は傾斜しており下まで転がってしまいます。
9番ホール 544yd Par5
ル・ペタウGC最長のロングホールがラストホール。
ティーショットは谷越えですが、フェアウェイまで160yd。落ち着いてショットしましょう。
250ydを越えると下りです。
フェアウェイは狭いですがコントロールに自信があればグリーンになるべく近づけましょう。
3オンできたら大成功です。
グリーン手前120ydから打ち上げです。
ピン位置を確認して寄せましょう。
お疲れ様でした。
コース内売店
売店はウッドランドコースのスタート前と5番前。
デューンコースの7番の前にあります。
無人営業ですが、WCがあります。
SIRル・ペタウゴルフコースの施設をチェックしました
クラブハウス
石造りのクラブハウスはヨーロッパ調で、荘厳な雰囲気。カッコいいですね。
ル・ペタウGCはオールセルフスタイルです。
クラブハウスに着いたら、自分でキャディバッグを車から降ろし、スタート室まで持っていきます。
スタッフにカート番号を聞いて自分で積み下ろしをします。
アコーディアグループと同じシステムですね。
精算はプレー前です。
カードは使えません。現金のみですので注意しましょう。
コンペルームは2Fにあり、充実しています。
大きな部屋と、少人数で使える応接室のような部屋があります。
また、ラウンジも立派なソファがあり落ち着けます。まるでホテルのようですね。
「ル・ペタウ」の意味は『人と人・文化と文化・心と心』 が通い合い交じり合うル・ペタウ(合流点)。
1993年開場です。
バブル期に造成されたので、贅沢なクラブハウスとオールベントで計画されたんですね。
ロッカールーム
ロッカーは木製で重厚。
広さも十分にあり大きな荷物も問題ありません。
スコアカード
スコアカードにはWC、避雷小屋の位置が明記してあります。
珍しいのは特設ティーのある救済ホールまで印が付いていることです。
そのくらいOBが出やすいコースということですね。
カート
カートは5人乗りと2人乗りの乗用カートがあり、いずれも自走式です。
フェアウェイへの乗り入れは不可です。
GPSナビは備えてありません。
ピンポジションを明記したシートがカートの中に入っています。
ラウンドした日は「Aポジション」でした。
クラブハウス出口に表示があります。
SIRル・ペタウゴルフコースのレストラン
お風呂は近所の温浴施設
ル・ペタウGCにはお風呂がありません。
そこで、コースから10分ほどの温浴施設「ぬくもりの湯」を利用しましょう。
入浴券はフロントで買えます。20%OFFの400円。
しかもバスタオル、フェイスタオル付き。
「ぬくもりの湯」はミストサウナや露天風呂を完備した温浴施設です。
洗面所
ル・ペタウGCの洗面所は豪華な大理石造り。
タオルはロールタオルとなります。
プロショップ
プロショップはB1のコースに出るドアの前にあります。
ごちゃごちゃしておらず、整然と商品が陳列してあります。
ボールを失くすプレーヤーが多いためか、ボールの品揃えが充実していました。
サブスクゴルフという取り組み
近年、「サブスク」(定額制)という言葉が定着してきましたが、ル・ペタウGCでは「サブスクゴルフ」というシステムがあります。
例えば、月々16,500円で、平日何度プレーしてもOK。
土日祝もプレーしたいなら、月々27,500円だそうです。
近所に住んでいる方はすごくいいシステムですね。毎日のように来られるゴルファーもいるそうですよ。
ル・ペタウGCで鍛えられたら、ゴルフが上手くなること間違いなしです。
SIRル・ペタウゴルフコースの評価
楽天GORAの口コミ評価8項目より多い14項目で診断しました。
ル・ペタウGCは他のコースとは一線を画しています。
ゴルフの発祥は羊飼いが石ころを打って野兎の掘った穴に入れる遊びから始まったという説があるように、全英オープンは自然のままに近いコースで開催されます。
北海道には箱庭のような美しいコースもありますが、ル・ペタウGCのようなワイルドなコースも自らの技量を試すには面白いコースだと思います。
(2023年7月取材・構成:JGJA日本ゴルフジャーナリスト協会会員 影山 篤)
- 住所:〒059-1985北海道勇払郡安平町追分春日11
- TEL:0145-25-3332
- 車:
- 電車:JR石勝線 ・追分駅からタクシーで約15分・約2000円
- クラブバス:なし